こんにちは。視能訓練士のあかまです。今回はコンタクトレンズを眼科で買うべき理由についてお話していきます。
みなさん、コンタクトレンズは使用されていますか?みなさんご存じの通り、コンタクトレンズというのは、薄いレンズを目の上に直接乗せ、視力を良くする優れものです。しかし、直接目の上に乗せるため、使い方を間違えてしまうと様々な障害を起こす危険性があります。
視力の悪い人にとってはとても便利で快適なコンタクトレンズなのですが、最近はネットやドラッグストアなどで販売され、手軽に購入できますよね。しかしコンタクトレンズというものは本来なら眼科で度数を合わせてもらい、定期健診を受けながら眼科で購入するものです。
そこで今回は、コンタクトレンズを眼科で買ったほうが良い理由を解説していきます。
コンタクトレンズは高度管理医療機器
「高度管理医療機器」と、聞きなれない単語かとは思いますが、実は結構大切なお話です。全ての医療機器は以下の3種類に分類されます。
島根県:医療機器の分類
- 高度管理医療機器
「医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(適正な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」(薬事法第2条第5項)
例:植込み型心臓ペースメーカ、注射筒輸液ポンプ、人工心肺用システム、治療用コンタクトレンズ、等。- 管理医療機器
「高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」(薬事法第2条第6項)
例:全身用X線CT診断装置、心電図モニタ、単回使用注射用針、歯科用銀地金、単回使用ピンセット、家庭用電気マッサージ器、連続式電解水生成器、耳かけ型補聴器、等。- 一般医療機器
「高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」(薬事法第2条第7項)
例:X線用テレビ装置、水銀柱式血圧計、縫合針、外科用テープ、手術用照明器、医療ガーゼ、救急絆創膏、等。
見て頂ければわかる通り、高度管理医療機器というのはペースメーカーや人工心肺などと同クラスの医療機器になります。つまりコンタクトレンズは「人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある」ということです。
その為、コンタクトレンズを販売する場合、管轄する保健所へ事前の許可が必要となります。
コンタクトレンズはドラッグッストア、量販店、ネットでも買える
近年コンタクトレンズは、ドラッグストア、量販店、ネットなどで安く購入可能です。手軽に購入できることは消費者からしたらとても有難いことですよね。しかし、その安さ、手軽さゆえにコンタクトレンズによる障害が増えてきています。きちんとした知識を持ち、確実に信頼できるお店での購入なら良いですが、何か起きてからでは遅いので、目にきちんと合うコンタクトレンズ、合う度数を選択してくれる眼科で処方してもらうのが最善の選択だと言えます。
また、眼科には視能訓練士という眼科検査の国家資格を持つ医療従事者がいますので、目の悩みやコンタクトレンズのことも相談できます。視能訓練士について詳しく知りたい人はこの記事を読んで下さい。
コンタクトレンズがネットで安く買える理由
今回は、コンタクトレンズがネットで安く買える理由と実際の金額の比較について調べてみました。コンタクトレンズはネットの方が安く買えます。しかし安ければ良いということでもありませんので、大切な目のためにこれを読んできちんと自分で判断して購入して下さいね。
それではどうぞ。
実店舗が無いから
コンタクトレンズはネットで購入すると安く買えますよね。なぜだか分かりますか?それは、店舗を構えていないので、家賃や光熱費がかかりません。実店舗を構えている眼鏡屋さんやドラッグストアなどでは、家賃、光熱費、さらには人件費もかかってきますので、それだけ上乗せされて販売価格となるわけです。
今回は、全国に実店舗を構える「コンタクトのアイシティ」と、ネットで見つけた最安値の比較をしてみました。
まずはコンタクトのアイシティの「ワンデーアキュビューモイスト」の金額です。
クーポンを使えばいくらかお安く購入できますが、価格は1箱30枚入りで税抜き2980円です。
次は、ネットで見つけた最安値の同じ種類のコンタクトレンズです。
ご覧のとおり、実店舗を持たないネット販売ですと、1箱30枚入り2189円。送料を入れても2689円で買えてしまうのです。それならコンタクトレンズをネットで買いたくもなりますよね。
安いコンタクトレンズ=粗悪品?
昔はよく「安かろう悪かろう」と言ったものですが、コンタクトレンズにおいてそんなことはありません。前にも述べたように、コンタクトレンズは高度管理医療機器にあたりますので必ず「高度医療管理機器販売許可」という届出が必要です。つまり、ネット販売されていても必ず届出を提出し、販売していますので安全といえます。
それでもネットでコンタクトレンズを購入の際、注意して頂きたいことがありますので、お伝えしていきます。
コンタクトレンズをネットで買うときの注意点
本来であれば、眼科で目の状態を確認後、度数を合わせて、目のフィッティングを見てコンタクトレンズを購入、という流れですが、手軽さや、眼科に行く時間がない等の理由から、ネットでコンタクトを購入することとなった場合、どんなことに注意しなければならないのか、気を付けたいことなどありますので確認していって下さい。
それではどうぞ。
眼科で処方箋をもらう
初めての人は必ず眼科に行って欲しいですが、初めてではない場合でも眼科でコンタクトレンズの処方箋をもらうのがオススメです。最初は自分がどの度数のコンタクトレンズを買えば良いのか分かりませんし、自分の目に合ったカーブのコンタクトレンズを選ばなければなりません。眼科であればフィッティングを見てもらえますし、コンタクトレンズの度数も合わせてもらえます。
そして何より、医師に診察してもらえますから安心ですね。
国内正規品を買う
コンタクトレンズは先ほども話したとおり、高度管理医療機器に当たりますので、販売する場合には保健所への申請が必要になります。そのため、粗悪品だから安いというわけではありませんが、中には海外製のもので粗悪品もありますので購入する際は慎重になったほうが良いですね。
日本で販売されているコンタクトレンズには、「国内正規品」と「海外製品」の2種類があります。「国内正規品」とは、日本で使用することを目的とし、厚生労働省により医療機器の承認を得たコンタクトレンズです。「海外製品」とは、日本以外で使用することを目的とした、厚生労働省の承認を得てないコンタクトレンズです。サイトによっては、国内正規品と海外製品の両方が販売されている場合もありますので、注意が必要です。
高度医療管理機器販売許可番号の記載があるサイトで購入しましょう。
眼科で定期健診を受ける
これはコンタクトレンズ装用者全員に伝えたいことなのですが、定期健診を3か月に1度受けましょう。長年コンタクトレンズを使っていると、目に障害が起こっていても気付かないうちに進行していたり、合わなくなった度数で使い続けるのも疲れ目の原因になります。自覚症状がなくても必ず眼科で定期健診を受けて下さい。
定期健診を怠った例で、目の充血が治らなくて来院し、そのまま角膜に傷が付いていたり角膜潰瘍になっていたりということもありますので注意が必要です。
まとめ
今回は、コンタクトレンズを眼科で購入したほうが良い理由をお伝えしました。手軽に安く購入できるコンタクトレンズですが、信頼できるところで購入し、使い方を間違えなければとても便利な物です。目に障害が起こらないよう注意しながら、目を大切にしてください。目の健康を保つためにも眼科の定期健診は必ず受けましょう。
それでは。